湿布薬は大きく分けて「パップ剤(湿布剤)」と「テープ剤(プラスター剤)」の2種類に分類されます。
◆パップ剤◆
白いフェルト布に有効成分が付いたタイプで、水分を多く含み、水分が蒸発する際に熱を奪うため冷却能力に優れます。
また、冷感タイプと温感タイプがあり、温感タイプはトウガラシエキスなどを含み、水分が減ってくると皮膚体温を上げるので温かく感じます。
◆テープ剤◆
肌色のテープタイプで、パップ剤よりフィットしやすくはがれにくい、通気性がよくムレにくい、薄くて肌色に近く目立ちにくいのが特徴です。
水分を含まないので冷却能力はなく、慢性の症状に適しています。(一部に温感タイプがあります)
◆主な有効成分◆
高い効果の消炎鎮痛成分 |
インドメタシン ケトプロフェン ジクロフェナク フェルビナク ロキソプロフェン |
その他の消炎鎮痛成分 |
サリチル酸メチル サリチル酸グリコール グリチルレチン酸 アルニカチンキ |
清涼・血行促進成分 |
メントール カンフル |
温感・血行促進成分 |
トウガラシエキス |
血行促進成分 |
トコフェロール |
◆使い分けのポイント◆
①打撲・捻挫(ねんざ)・運動後の筋肉痛など:患部が腫れたり、熱を持ったりする
急性の症状には「冷感タイプ」を使いましょう。
保冷剤などで冷やすのも効果的です。
②腰痛・肩こりなど:疲労や血行不良が原因とみられる慢性症状には「温感タイプ」・
「テープ剤」を使いましょう。
上記①の急性症状が治まった後の継続治療、骨の変形などによる二次的な痛みにも適して
います。蒸しタオルなどで温めるのも効果的です。
◆貼る時の注意◆
①かぶれ予防のために:同じ場所に長時間貼らない(8時間を目安に)、かゆみ・発赤が出たら
すぐはがす、かぶれやすい人は温感タイプを避ける
②温感タイプは入浴1時間前にはがしましょう。(入浴時に熱く感じる恐れ)
③数週間使用しても改善が見られない場合は医師に相談して下さい。
◆部位別貼り方◆
下の図のようにハサミで切り込みを入れて貼ると、動かしてもはがれにくくなります。動かすことが
多い場合はサポーターや包帯で固定するとよく、物理的な刺激も少なくなってかぶれを防げます。
患部にフィットさせるように少し伸ばしながら貼りましょう。(静岡県薬剤師会ホームページより引用)