「認知症による物忘れ」と「加齢による物忘れ」は似ているようで大きな違いがあり、具体的な例として以下のような違いがあります。
認知症による物忘れ
◆夕食を食べたこと自体を忘れる
◆ヒントを与えても思い出せない
◆探し物は誰かに盗られたと思う
◆孫がいること自体を忘れている
◆日常生活に支障が出ている
◆物忘れを自覚してない
◆人格が変化する
◆急に進行することが多い
加齢による物忘れ
◆夕食に何を食べたか忘れる
◆ヒントを与えると思い出せる
◆探し物は努力して見つけようとする
◆孫の学年・年齢を忘れている
◆日常生活にはあまり支障がない
◆物忘れを自覚している
◆人格に変化なし
◆ゆっくり進行する
認知症が疑われる場合は物忘れ外来の受診をおすすめします。
かかりつけ医に相談するか、インターネットで「○○県の物忘れ外来」と検索してみてください。
※どちらか判断が難しい場合は医療機関で診断を受けることをおすすめします。
加齢による物忘れ?と思われる場合はオンジエキスやイチョウ葉エキスを試してみませんか?
両方を併用することはできないのですが、2つのエキス製剤についてご紹介します。
◆オンジエキスの効能って?◆
「オンジ」はイトヒメハギの根を乾燥させた生薬で、東洋医学で「健忘」に効く薬として使われてきたものです。
2015年に「中年期以降の物忘れの改善」の効能が医薬品として認められました。
漢方学では「心を安らかにし、智を益す(精神を安定させ、智恵を益す)」という効能が言い伝えられています。
◆オンジエキスを服用する際の注意点は?◆
◆既に認知症と診断されている人、認知症の疑いがある人は服用できません。
(病院での治療を優先してください)
◆体調に異変を感じた場合は速やかに服用を中止し、医師に相談してください。
◆服用回数:1日3回、食前または食間に服用(空腹時に服用する方が吸収が良いため)
※食前:食事前30分以内/食間:食事と食事の間で食後2~3時間を目安に
◆イチョウ葉エキスとは?◆
イチョウ葉エキスは乾燥したイチョウ葉から抽出される成分です。日本では機能性表示食品として販売されています。(ガムタイプもあり)
血流改善などの効果があり、認知機能の一部である記憶力(言葉・物のイメージ・位置情報を思い出す力)を維持する機能があることが報告されています。
主な有効成分は以下の2つです。
①フラボノイド(ポリフェノールの一種):血管(特に毛細血管)を拡張して血行を促進する/
脳・心臓などの血行促進/赤血球の酸化抑制/体内の活性酸素を取り除く
②テルペンラクトン(ギンコライド他):血栓形成を抑制する/血液循環の改善 など
◆イチョウ葉エキスを服用する際の注意点は?◆
◆既に認知症と診断されている人、認知症の疑いがある人は服用できません。
(病院での治療を優先してください)
◆ワルファリンや抗凝固薬など血液を固まりにくくする薬と併用するのは避けてください。
◆過剰摂取で出血しやすくなる恐れがあるので、1日の目安摂取量を守ってください。
◆1日の目安量:イチョウ葉由来フラボノイド配糖体:19.2mg、イチョウ葉由来テルペンラクトン:4.8mg
◆体調に異変を感じた場合は速やかに服用を中止し、医師に相談してください。