熱中症が起きやすい季節となりましたね。高齢者の発症が多く、室内でかかる場合も多いので、十分な対策をとりましょう!
◆熱中症とは暑さが引き起こす障害の総称です!◆
何らかの原因により、体内から発生する熱を処理し切れなくなって起こる障害で、熱中症の症状は以下の3段階に分類されます。
Ⅰ度
立ちくらみ・めまいを起こす/塩分不足により筋肉痛・こむら返り(脚がつる)・手足のしびれなどを起こす/拭いても拭いても汗がどんどん出てくる
⇒現場での応急処置にて対処可能(悪化しないよう見守る)
Ⅱ度
頭痛・気分の不快・吐き気・嘔吐/倦怠感・虚脱感(ぐったりする・力が入らない)/集中力・判断力の低下 など
⇒応急処置を継続し、症状が改善しないかⅢ度に悪化した場合は医療機関へ連れて行く
Ⅲ度
高熱(40度前後、さわると熱い)・意識障害・運動障害(まっすぐ歩けない)・けいれん・ひきつけ・発汗停止などが起こる
(最近の研究では、中枢神経症状、肝・腎機能障害、血液凝固異常のいずれかが起きると言われています)
⇒応急処置を継続しつつ、救急車などで医療機関へ搬送する
※一方、「日射病」は首などに長時間の日光直射を受け、血管が拡張したり発汗による水分不足によって、血液循環がうまくいかなくなった状態を言います。
体温が少し上昇し、発汗・めまい・吐き気・頭痛などが生じますが、意識障害はあまり起こりません。
◆熱中症の初期症状は?◆
めまい・立ちくらみ・顔のほてり・足がつる・大量の汗・軽い体温上昇など
⇒涼しい場所へ移動して安静にし、水分補給をして様子をみる
◆熱中症の危険信号とは?◆
高熱(40度前後)・さわると熱い・乾いた皮膚(汗をかいていない)・ズキズキする頭痛・めまい・吐き気・意識障害(呼んでも返事をしない、反応がおかしい)など
⇒重度の熱中症(Ⅲ度)が疑われるので救急車を呼ぶ
◆救急車が来るまでの応急処置・軽症時の対処法とは?◆
①まずは風通しのよい日陰か、冷房の効いた室内(自動車内も可)に運びます。室内にいる場合はエアコンでさらに冷やす。
②衣服・ベルトの締め付けを緩めて、ぬれタオルで体を拭くか、霧状の水をかけてから、うちわで扇いで体を冷やします。(水が気化する際に熱を奪うため)
※太い動脈のある両側の首筋・脇の下・脚の付け根に、袋に入れた氷・保冷剤・凍らせたペットボトルなどをタオルで包んで当てて冷やすのも良い方法です。
③水分補給をしましょう。胃の表面で熱を奪うので冷たい水を飲ませます。発汗が多い場合はスポーツ飲料・経口補水液が効果的です。
※意識障害、吐き気・嘔吐がある場合は経口摂取を避け、病院で輸液治療を受けましょう。
◆熱中症を予防するためのポイントは?◆
①襟元や袖口の開いた通気性・吸湿性の良い服を着ましょう。
②屋外では帽子・日傘で日差しを避け、なるべく日陰を歩く。
③朝食はしっかり摂り、日中も極端な空腹は避けましょう。
④スポーツや屋外での作業はこまめに休憩をとり、水分補給をしっかり行いましょう。手足に水をかけて体を冷やすのも良いでしょう。
⑤集団行動時にはお互いに水分補給を呼びかけたり、調子が悪くなった際は我慢せず、周りの人に声をかけるようにしましょう。
⑥高齢者は暑さに対する感覚が鈍くなりがちで、のどの渇きも感じにくく、発汗機能も衰えるため特別な注意が必要です。子供も体温調節機能が未発達なので要注意です。
⑦高齢者のいる部屋は温度計を置いて、室温28℃に保つよう冷房を活用し、30分に1回のペースでこまめに水分を補給しましょう。
⑧水分補給に適した経口補水液は薬局などで購入できますが、砂糖20~40g(大さじ2~4杯)と食塩1~2g(小さじ1/3杯)を水1リットルに溶かすだけで簡単に作れます。高齢者には梅昆布茶・みそ汁などもおすすめです。
⑨野外活動に備えを!応急処置必需品:タオル、霧吹き、うちわ、ミニ扇風機、瞬間で冷える冷却剤、経口補水液、塩分補給用のアメ・タブレット、濡らして冷える冷感タオルなど
⑩暑さ指数(熱中症指数)に注目しよう:携帯型熱中症指数計やテレビ、インターネットで発表される暑さ指数を見て、熱中症の危険度を確認しましょう。(℃の単位で示されますが、湿度・周辺の熱環境・気温の3つを取り入れた指標となります)